ワークフローとは? 意味・種類・ボトルネックの見つけ方
要約
ワークフローとは、入力を出力に変える工程、引き継ぎ、判断の流れです。どのワークフローにも、全体の出力を頭打ちにする工程が1つあります。各工程の処理能力を数えて最も低いものを見つけ、その前の待ち行列で確認してください。そのうえで、能力を足すか、ムダを減らすか、仕事の流れを変えるかを決めます。
ワークフローとは、1つの仕事が始まってから完了するまでに通る、順序立てられた一連の工程のことです。各工程には担当者または担当システムが決まっています。たとえば、請求書が届き、発注書と照合され、承認され、支払われる流れがワークフローです。複雑なワークフローを引き継いで「ワークフローとは何か」を調べているなら、次に考えるべき問いは「どう文書化するか」ではなく「どの工程が全体の流れを頭打ちにしているか」です。この記事では両方に答えます。
ワークフローとは何か、一文で言い換えるとどうなるか?
ワークフローとは、入力を出力に変えるための、繰り返し可能な作業・引き継ぎ・判断の流れです。TechTargetは、どのワークフローも3つの要素に分けられると説明しています。入力(開始のきっかけや材料)、変換(実際に行われる作業)、出力(次の工程に渡す成果、または仕事を完了させる結果)です。
この3要素は付せんに書いておく価値があります。ある工程の入力、作業、出力を説明できないなら、その工程はまだ定義されていないということです。
入力: 工程が始まる前に存在していなければならないもの(確定した注文、チケット、原材料など)
変換: 誰か、または何かが実際に行うこと(確認、承認、組み立て、振り分けなど)
出力: 工程から出ていくもの、そして次に受け取る人やシステム
出力を定義しないと、よくあるオフィスの失敗が起きます。ある机で「完了」した仕事を、次の人が受け取り方を知らない状態です。
ワークフローとプロセスに本当に違いはあるか?
日常会話では2つの言葉をほぼ同じ意味で使っても問題ありません。ただ、業務改善の現場では区別すると役立ちます。プロセスとは、ルール、役割、ツール、指標を含めて、成果がどのように生み出されるかという仕組み全体です。一方ワークフローは、1つの案件がそのプロセスの中をたどる具体的な経路を指します。
具体例を挙げます。ある物流拠点には「受注から出荷まで」のプロセスがあります。1件の注文のワークフローは「受付、ピッキング、梱包、ラベル貼付、積み込み」です。プロセスには、シフトの人員配置、配送業者の締め切り時刻、返品のルールも含まれます。それらは注文のワークフローを形作りますが、注文そのものが通過する工程ではありません。
この違いが重要なのは、ワークフローは1件ごとに(この注文は何時間かかったか)、プロセスは全体で(拠点は1時間に何件出荷しているか)測るべきだからです。両者を混同すると、平均値について議論している間に、1件の注文が3日間止まったままになります。
実際に出会うワークフローの種類は?
多くの業務現場で見かける形は3つです。
順次型ワークフロー。 AをやってからB、Cへ進みます。融資の承認や発注書の照合がこの形です。各工程は前の工程を待つため、遅い工程があると後ろの工程すべてが遅れます。
ルール型ワークフロー。 基本は順次型ですが、条件によって経路が分岐します。一定額未満の経費は自動承認され、それを超えると管理職に回される、といった形です。分岐こそが要点で、誰が何を見るのかを一度、文書で決めておきます。
ステートマシン型ワークフロー。 案件は「未対応」「確認中」「保留」「完了」などの状態を持ち、イベントによって次の状態へ移ります。サポートチケットやソフトウェアのプルリクエストがこの形です。「確認中」から「未対応」に差し戻されることもあるため、完全に一直線ではありません。

実際の業務ではたいてい3つが混ざっています。上の請求書の流れは、照合の不一致が出るまでは順次型ですが、不一致が出ると「保留」を含むステートマシン型になり、独自の戻りのループを持ちます。まず正常系の流れを描き、その後で例外を足してください。最初の日に全ての例外を描こうとすると、地図は永遠に完成しません。
良いワークフローは現場でどう見えるか?
倉庫の現場で良いワークフローは、退屈なほど平穏です。注文が届き、次の担当者が何を受け取るのかわかっており、「これは誰の仕事?」と聞く人がいません。テストは簡単です。ストップウォッチとマーカーを持って工程をたどり、案件が動いているのではなく、どこで待たされているかを書き留めてください。
待ち時間こそが手がかりです。多くのワークフローでは、案件が実際に作業されている時間は、システム内にいる全体時間のごく一部にすぎません。残りは、トレイ、受信箱、仮置きレーンでの待機です。プロセス・サイクル効率(PCE、リードタイム全体のうち付加価値のある作業に費やされた割合)が25%を下回るなら、設備や人員を増やす前に、ムダを見つけるべき段階であることが多いです。
ワークフローが「動いている」と言えるかどうかは、次の4つの特徴で決まります。
明確な開始のきっかけ。 誰かが覚えていたからではなく、理由を説明できる形で仕事が始まります。
工程ごとに1人の担当者。 共同担当は、実質的に担当者がいないのと同じです。
定義された「完了」。 出力に確認可能な条件があり、次の工程が相談なしで始められます。
見える待ち行列。 今この瞬間に、各工程で何件待っているかを、誰にも聞かずに把握できます。
ワークフローはどこで壊れるのか? 全体を頭打ちにしている工程を探す
どのワークフローにも、ライン全体のペースを決める工程が1つあります。それがボトルネック(処理能力がライン全体の出力を制限する工程)です。ほかの工程を速くしても、全体の出力は変わりません。ボトルネックを10%遅くすると、ワークフロー全体の出力もおよそ10%失われます。
計算の基本はリトルの法則(Little's Law)です。先に変数を定義します。WIPは同時に工程内にある案件数、スループットは単位時間あたりに完了する案件数、サイクルタイムは1件が開始から完了までにかかる平均時間です。
WIP = スループット × サイクルタイムたとえば、あるサポートキューが1日40件のチケットを完了し、1件の平均処理時間が開始から終了まで3日だとします。すると、同時に処理中のチケットは120件です。スループットが40のまま、WIPが200に増えると、サイクルタイムは5日に静かに伸びます。仕事のやり方は変わっていません。処理しきれない工程の手前で、待ち行列が膨らんでいるのです。

上の写真は、ボトルネックの典型的な兆候です。ある工程の前に山ができ、その後ろの工程は仕事がなく止まっています。同じパターンは、ソフトウェアのパイプラインでも(レビュー待ちが膨らみ、デプロイ担当が遊んでいる)、人事の入社手続きでも(内定者が身元調査の前で滞留する)見られます。
コンサルタントを使わずに、制約となっている工程を見つける手順は次のとおりです。
工程を順番に並べ、それぞれの担当者を書きます。
各工程が、現実的なペースで1時間に何件処理できるかを記録します。
数字を比べます。最も低い値が制約の候補です。
待ち行列を確認します。その工程の直前で山が膨らんでいれば、候補が確定します。
そのうえで判断します。その工程に能力を足すか、ムダを減らすか、仕事をその工程から切り離すかを決めます。
ここで計算機が役に立ちます。工程ごとの処理能力を入力すると、「AI analysis」バッジが結果を読み取り、制約となっている工程を名指しし、能力を足すと効果があるのか、ないのかを平易な言葉で示します。数字を入力すれば、AIがどこに手を打つべきかを示します。
ワークフローを回すのにソフトウェアは必要か?
いいえ。ホワイトボードとストップウォッチがあれば、最初のボトルネックは見つけられます。ソフトウェアが効いてくるのは、ワークフローが1日に何百回も繰り返され、引き継ぎがデジタルで行われるようになったときです。そうなると、人がメッセージを中継すること自体が遅れの原因になるからです。
市場も、この問題に価値があると見ています。TechTargetが引用するReportlinkerの2023年のレポートによると、ワークフロー管理システム市場は2022年に$6.65 billionと評価され、2030年には$46.47 billionに達すると予測されています。ただし、ベンダーがこの問題を追いかけていることと、あなたの問題にプラットフォームが必要なことは別の話です。
判断の目安は次のとおりです。ある工程が制約である、またはそれに近いと分かってから自動化してください。余裕のある工程を自動化しても、見た目のよいプロセスになるだけで、出力は変わりません。
チームが自動化に踏み切るときによく名前が挙がるツールは4つです。
Zapierは、非エンジニアのチームが最も始めやすいツールです。あるアプリでのトリガーを、別のアプリでのアクションにつなげます。料金はタスク単位なので、工程数が多いワークフローは量が増えるほどコストがかさみます。分岐の多い大量のフローを回すなら、別の選択肢を検討してください。
Makeは、ワークフローをルーターやエラー処理を含むキャンバス上の図として描けます。経路が分岐するルール型のフローに向いています。分岐を想像するのではなく、目で確認したい場合に価値があります。
n8nは、料金をステップ単位ではなくワークフローの実行単位で計算し、自社サーバーに設置することもできます。少しコードを書けるメンバーがいるチームに合っており、長いフローでも費用を抑えられます。
Taskadeは、プロジェクト管理とAIエージェントを1つのワークスペースにまとめたツールです。アプリ同士がデータを受け渡すより、人がタスクを手渡しすることが中心のワークフローに向いています。

4つすべてに当てはまる注意点があります。ツールはワークフローを記録し、動かすものであって、壊れたワークフローを直してくれるものではありません。壊れた引き継ぎを自動化すると、誰も見ていない午前3時に、もっと速く壊れます。
ワークフローを、形骸化させずに文書化するには?
1枚に収め、工程だけでなく待ち行列も描いてください。良いワークフロー図は、4つの問いに一目で答えられます。何がきっかけで始まるのか、各工程の担当者は誰か、案件はどこで待つのか、そして「完了」とは何か。
現場で実際に使い続けられる形式は次のとおりです。
上端にきっかけ、下端に完成した出力を書きます。
その間に、工程ごとに1つの枠を置き、担当者の名前ではなく役割を書きます(人は異動するため)。
各枠の横に、今その工程で待っている案件数を数字で書きます。
例外は、ループで戻る別の線で示します。ただし、よく起きる2つまでにとどめてください。
何かが変わったとき、たとえば新製品、シフトの組み方、ツールの入れ替えの際には見直します。1年以上手を入れておらず、仕事の中身が変わっていれば、その図はフィクションになっています。
また、理想的な動きを文書にする誘惑にも抗ってください。火曜日の午後に2人が休んでいるときに実際に何が起きているかを書いてください。改善できるのは、その現実の姿です。
まず何をすべきか
今ワークフローがあるのに図がないなら、今週1時間を使ってください。工程を書き出し、それぞれに処理能力の数字を書き入れ、最も低い工程を見つけます。その工程の前に待ち行列が最も長く溜まっているなら、それがボトルネックです。そうでなければ、ほかの場所に投じる予算や時間はすべて推測になります。
最も低い処理能力の工程と、最も長い待ち行列が食い違う場合は、待ち行列を信じて、処理能力を測り直してください。PCEが25%を下回るなら、人員やツールを増やす前に、待ち時間と手戻りを探してください。そのうえで数字を計算機に入力し、AI analysisの結果から、解決策が能力の追加なのか、ムダの除去なのか、仕事の入り方の変更なのかを確かめてください。